手術説明の時に静脈瘤と深部静脈血栓症の違いを聞かれることが多くあります。
一般的にいう静脈瘤は皮膚のすぐ下の浅いところにある静脈(表在静脈)の病気です。
人工股関節置換術の合併症として、深部静脈血栓症・肺塞栓症(エコノミークラス症候群)という病気があります。これは、脚の深いところの静脈(深部静脈)にできた血栓が、深部静脈の壁から剥がれて、心臓の方へ流れていき、その先にある肺の血管に詰まってしまう病気です。そのため息が苦しくなったり、最悪の場合は死亡することもあります。
しかし、下肢静脈瘤は深部静脈血栓症と直接的な関係はなく、静脈瘤だからといって特別に深部静脈血栓症になりやすいというわけではありません。
*手術治療対象となる径4mm以上の静脈瘤を放置すると、深部静脈血栓症のリスクは通常より少し上昇します。
*画像はMedtronic社のホームページより